ばこつと
馬の骨が
ある日、陽太と琴美は、おじいちゃんと一緒に土佐に住むおばあちゃんの家に遊びに行きました。到着すると、さっそく田んぼ[たんぼ]の周りを散歩することにしました。おじいちゃんは、田んぼの側に広がる山の道は、昔からある古い道だと教えてくれました。
陽太は、おじいちゃんから聞いた妖怪の話を思い出しました。「この道にはね、ばこつという妖怪が現れるんだよ。馬の骨が衣をまとって歩くんだ」おじいちゃんの話に、琴美はちょっと怖くなりましたが、陽太は興味津々でした。
夜になり、二人はおばあちゃんの家でお泊まり会を楽し[たの]みました。おばあちゃんは「昔、この辺りでは、ばこつが出たら供養をすると良いって言われていたわ」と教えてくれました。その夜、二人は窓の外を見ながら、ばこつが本当にいるのかとワクワクしていました。
次の日の夕方、陽太は友達の勇気を借りて、古い道を探検することに決めました。琴美も一緒に行くことになり、三人は慌てず騒がずに歩き始めました。
道を歩いていると、突然静かになり、木々の間から何かが動く音が聞こえてきました。「あっ!」と驚くと、そこには本当にばこつが立っていたのです。陽太は「ばこつだ!」と叫びましたが、琴美は不思議と怖くなく、むしろ優しい気持ちになりました。
ばこつを見た三人は、おばあちゃんから教わった方法で手を合わせ、心を込めて供養しました。すると、ばこつの姿はだんだん薄れ、やがて消えてしまいました。
家に帰ると、おばあちゃんは三人を優しく迎え入れ、「よく頑張ったね」と褒めてくれました。陽太と琴美は、ばこつとの冒険を通じて、畜生供養の大切さを学んだのでした。
ばこつは、朽ちた馬の骨が妖気を帯びて現れる妖怪です。
土佐国に伝わる妖怪で、江戸期の絵巻にも描かれています。
ばこつは、供養をすることでその姿を消すことができるといわれています。
この物語から、命あるものへの感謝と供養の大切さを学ぶことができます。畜生供養を通じて、全ての命に対する思いやりの心を育てましょう。
夜道で骨を見たら、そっと供養の気持ちを送ってみよう。驚かないで、静かに心を込めると良いことが起こるかも。
このページは5-10歳のお子様におすすめです
🎨 かわいい妖怪と一緒に楽しく学ぼう!