はじまり
夏休なつやすみのある夜よる、健たけしはおじいちゃんの住すむ村むらへ遊あそびに行いきました。村むらの夜よるは星ほしがたくさん見みえて、空そら一面いちめんがキラキラ光ひかっていました。ある夜よる、健たけしは布団ふとんの中なかで村むらの昔むかし話ばなしをおじいちゃんから聞きいていました。それは、波山ばさんという不思議ふしぎな怪鳥かいちょうの話はなしです。
展開
おじいちゃんは言いいました。「波山ばさんはね、赤あかい鶏冠とさかを持もち、夜よるになると山奥やまおくの竹薮たけやぶから現あらわれるんじゃ。火ひを吐はくが、熱あつくないから安心あんしんしてな。」その話はなしを聞きいて、健たけしはますます興味きょうみが湧わいてきました。彼かれは「僕ぼくも波山ばさんを見みに行いきたい!」と言いいました。
クライマックス
翌晩よくばん、健たけしは懐中かいちゅう電灯でんとうを持もち、竹薮たけやぶの方ほうに向むかいました。すると、遠とおくから「ばさばさ」という羽音はおとが聞きこえてきます。健たけしはどきどきしながら音おとを頼たよりに進すすんで行いきました。すると、突然とつぜん、目めの前まえに赤あかい光ひかりがちらつき、波山ばさんが現あらわれました!
健たけしは驚おどろいたけれど、怖こわくはありませんでした。波山ばさんの火ひはまるで小ちいさな星ほしのように美うつくしいのです。波山ばさんは羽はばたきながら空そらへ消きえていきました。健たけしはその光景こうけいに感動かんどうし、少すこしの間あいだその場ばに立たっていました。
結末
村むらへ戻もどった健たけしはおじいちゃんに波山ばさんを見みた話はなしをしました。おじいちゃんはにっこり笑わらいながら「それは貴重きちょうな体験たいけんじゃな。波山ばさんは村むらを守まもってくれる友ともだちかもしれんのう」と言いいました。その夜よる、健たけしは波山ばさんのことを夢ゆめに見みて、ぐっすりと眠ねむりました。