くつつらと
くつつらというふしぎな妖怪が、子供たちの畑に現れて、瓜を食べてしまいます。みんなで知恵をしぼって、くつつらを退けるお話です。
ある夏の暑い日、村の子どもたちは元気よく畑へ向かいました。畑では大きな瓜がすくすく育っていて、もうすぐ収穫の時期を迎えるところでした。子どもたちは瓜の大きさを競ったり、どの瓜が一番甘そうか話したりして楽し[たの]んでいました。
ところが、ある日、畑に行くと目を疑うような光景がありました。瓜の葉が食べられ、地面には散らばった瓜の皮が残っていたのです。子どもたちはびっくりして、「どうしてこんなことになったんだろう?」と顔を見合わせました。
そのとき、畑の隅で何かが動いているのを見つけました。そこには、沓を載せた不思議な姿をした妖怪、くつつらがいたのです。子どもたちはくつつらに向かって「どうして瓜を食べるの?」と聞きました。くつつらは小さ[ちいさ]な声で「瓜が大好きなんだ」と答えました。
子どもたちは困ってしまいました。どうすれば畑を守れるのでしょうか。そこで、近くの神社に行き、守り神の石像に相談しました。すると、神社の小さな札を畑に置けば、くつつらは瓜を食べなくなると教えてくれました。
子どもたちは早速、神社の札を畑に置きました。そして次の日の朝、畑に行くと、くつつらの姿は消えていました。畑の瓜は無事です。子どもたちはほっとして、「やった!守れたよ!」と喜びました。
それからというもの、子どもたちは毎日畑に行き、瓜を大切に育てました。くつつらが再び現れないよう、神社の札を大事に守り続けました。村の大人たちも子どもたちの努力を見守り、畑が豊かに実る姿を喜びました。
こうして村の畑は無事に収穫を迎え、みんなで楽しい収穫祭を開くことができました。子どもたちは、この出来事を通じて大切な何かを学んだようです。
くつつらは浅沓の上に載る不思議な妖怪です。
瓜を食べる妖怪として、中国の故事が元になっています。
百器徒然袋という古い絵本に登場します。
くつつらは実際に出没する場所が不明で、珍しい妖怪です。
村の子どもたちは、共同で問題を解決し、協力の大切さを学びました。みんなで力を合わせれば、大きな困難も乗り越えられるということを知りました。
もし畑で不思議なものを見たら、そっと見守ろう。くつつらは、実は優しい妖怪かもしれません。
このページは3-12歳のお子様におすすめです
🎨 かわいい妖怪と一緒に楽しく学ぼう!