雪の夜に
蓑草鞋は、古い道具が妖怪になったもので、雪の夜に竹林に現れます。
ある冬の夜、小学生のゆうたくんは、家族と一緒に近くの神社に行くことになりました。神社では毎年、雪見の祭りが開かれ、多くの人が温かい甘酒やお餅を楽しみに集まります。
ゆうたくんは、道の途中で雪の竹林がきらきらと光っているのを見て、思わず足を止めました。「あれ、きれいだなぁ」と呟くと、一緒にいた友達のあきらくんも興味を持ち、「ちょっと見に行ってみようよ」と誘いました。
二人は竹林の中に入り、静かに歩き始めました。すると、雪の中から不思議な音が聞こえてきます。「シャシャ、カラカラ」という音は、まるで誰かが歩いているようでした。
音のする方に近づくと、二人はびっくりしました。そこには、古びた蓑をまとい、草鞋を履いた妖怪が立っていたのです。妖怪は、鍬を担いでおり、やさしそうな顔で二人を見ていました。
「こんにちは、僕は蓑草鞋だよ。君たちが雪を楽し[たの]んでいる様子を見に来たんだ」と蓑草鞋は言いました。その声は優しく、二人は安心しました。「僕たちも、雪が大好きなんです!」とゆうたくんが答えました。
蓑草鞋は、長年使われた蓑や草鞋が霊性を得て妖怪になったことを話し、二人に「物を大切にすることの大事さ」を分かち合いました。その後、蓑草鞋は「また会おうね」と言って、雪の中に消えていきました。
ゆうたくんとあきらくんは、家族の待つ神社に戻り、今日の出会いを嬉しそうに話しました。二人は、これからも物を大切にしようと心に決めたのでした。
蓑草鞋は、農具や雨具が妖怪になったものです。
古い道具は、使い手を見守るために妖怪になることがあります。
蓑草鞋は、平和な雪の夜に現れるといわれています。
物を大切にすることで、長い時間一緒に過ごしたり、思い出をたくさん作れます。物を大切にする心を育てましょう。
雪の夜に竹林を歩くときは、慎重に。妖怪の足跡を見つけたら、その先に何があるか考えてみよう。
このページは5-10歳のお子様におすすめです
🎨 かわいい妖怪と一緒に楽しく学ぼう!