ミシゲー
沖縄の古道具が、夜に音楽を奏でて遊ぶお話。物を大切にする心を学びます。
夏の沖縄では、夜になると涼しい風が吹き始めます。ある夜、小学三年生のタケル君は、窓から聞こえてくる不思議な音に耳を傾けました。どこかで三線のような音が聞こえてきます。「あれはどこから聞こえてくるんだろう?」タケル君は、不思議に思って外に出てみました。
外に出たタケル君は、音がごみ捨て場の方から聞こえてくることに気づきました。音に導かれるように進んでいくと、そこには古びた飯笥や器たちが楽し[たの]しそうに踊り、音楽を奏でていたのです。「なんて不思議なんだ!」タケル君は目を丸くして驚きました。
飯笥たちは、タケル君を見ると、さらに楽しい音楽を奏で始めました。「君も一緒に踊らないかい?」と声が聞こえた気がして、タケル君は思わず手を叩きながら踊り始めました。時間を忘れるほど楽しい夜を過ごしたタケル君ですが、気がつくと夜が明け始めていました。飯笥たちは散り散りに消えて、そこには静かな夜明けが残りました。
家に戻ったタケル君は、お母さんにこの不思議な出来事を話しました。「それはきっと飯笥たちが、物を大切に使ってほしいというメッセージだったのね」とお母さんは微笑みました。それ以来、タケル君は古い物も大切に使うように心がけるようになりました。
飯笥は沖縄の固有の妖怪です。
付喪神は100年を過ぎた道具が妖怪になると言われます。
古道具を大切にすることが、妖怪を生かさない秘訣です。
物を大切にすることで、長く楽し[たの]むことができるという教訓です。古い物にも愛情を持つことが大切です。
夜にごみ捨て場の音楽が聞こえたら、それは飯笥の集まりかも。静かに観察してみましょう。
このページは3-12歳のお子様におすすめです
🎨 かわいい妖怪と一緒に楽しく学ぼう!