ムジナのふしぎな夜よるの冒ぼう険けん

はじまり

むかしむかし、日本にほんの東国とうごくというところに、ムジナという不思ふし議ぎな妖よう怪かいがいました。ムジナは日々ひび、森もりや川かわでいたずらをして、人ひと々びとを驚おどろかせていました。

ある日ひのできごと

ある日、村むらの少年しょうねんタロウが友とも達だちと川かわに遊あそびに行いきました。すると、突然とつぜん、川かわの水みずが光ひかり始はじめました。タロウは驚おどろいて、友とも達だちと一緒いっしょに川かわから逃にげ出だしました。

大だい活かつ躍やく

実じつは、それはムジナのいたずらでした。ムジナは人ひとを騙だまして楽し[たの]むのが大だい好すきでした。ところが、タロウは知しっていました。ムジナは怖こわい妖よう怪かいではなく、ただのいたずらっ子こだということを。

タロウは勇気ゆうきを出だして、ムジナに話はなしかけました。「ムジナ、君きみのいたずらは面白おもしろいけど、みんなを怖こわがらせるのはやめてよ」。ムジナは驚おどろきましたが、タロウの優やさしい心こころに触ふれて、これからは友とも達だちになろうと決きめました。

結けつび

それから、村むらの人ひと々びととムジナは仲良なかよく暮くらすようになりました。ムジナもいたずらを控ひかえ、村むらの手て伝つだいをするようになりました。タロウは、みんなと一緒いっしょにムジナと遊あそぶ日ひ々びを楽し[たの]んでいました。