逆柱の
逆柱は
ある日、小学生の太郎くんは、おじいちゃんの家に遊びに行きました。そこは古い木造の家で、庭には大きな桜の木が立っていました。おじいちゃんはとても優しく、太郎くんに家の歴史を語ってくれました。
"この家には昔、逆柱という妖怪が住んでいたんだよ。夜になると家がギシギシと音を立てて、みんなを驚かせるんだ。"
太郎くんは驚きつつも、どこかワクワクして聞いていました。
その夜、太郎くんはおじいちゃんの家で泊まることにしました。夜中になると、家は本当にギシギシと音を立て始めました。太郎くんは少し怖かったけれど、好奇心が勝り、音の出る方へそっと向かいました。
おじいちゃんが言っていた逆柱を見つけると、それは家の真ん中に立っている柱でした。太郎くんは手をそっと触れてみると、柱が揺れながら語りかけてきました。
"ぼくは逆柱。みんなを驚かせるつもりなんてないんだ。ただ、ちょっと居心地が悪くてね。"
太郎くんは勇気を出して、逆柱の悩みを聞くことにしました。
"どうしたらいいの?"と逆柱に聞くと、逆柱は答えました。
"木の上下を逆にされていて、首が苦しいんだ。もし、木の向きを正してくれたら、きっと静かに眠れると思うんだ。"
太郎くんはすぐにおじいちゃんに相談しました。おじいちゃんは、翌朝、大工さんと一緒に柱を直しました。
柱を直したその夜、家は静かになり、逆柱も喜んでぐっすり眠ることができました。太郎くんはこの体験を通して、物事には理由があることや、他人の声に耳を傾けることの大切さを学びました。
みんなが安心して眠れるようになった家で、太郎くんは夢の中で逆柱と楽しく遊ぶのでした。
"ありがとう、太郎くん。"
逆柱の声が、どこからともなく聞こえてきたような気がしました。
太郎くんは逆柱と友達になり、他人の意見や悩みを聞くことの大切さを学びました。どんなに小さな声でも、耳を傾けることで解決策が見つかるかもしれません。
もし、家の中で突然音が鳴り出しても、慌てずにその音の理由を考えてみよう。逆柱が教えてくれるかもしれないよ。
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このページは3-12歳のお子様におすすめです
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