はじまり
ある春の休日、小学生のゆうたは、おじいちゃんの家に遊びに行きました。おじいちゃんの家は山のすぐ近くにあり、裏には緑が広がる美しい風景が広がっています。ゆうたは自然が大好きで、山の中を探検するのを心待ちにしていました。
展開
その日、おじいちゃんと一緒に山に向かうと、おじいちゃんがこんな話をしてくれました。「この山にはね、『やまわろ』という不思議な妖怪が住んでいるんだ。やまわろは山で働く人を助けてくれるんだけど、時々、イタズラもするんだ。」ゆうたは目を輝かせて、もっと詳しい話を聞きました。
「やまわろは赤褐色の長髪で、丸い顔に尖った耳を持っているんだ。人の言葉も分かるし、相撲も大好きで、家に入ってお風呂に入ることもあるらしいよ。」
クライマックス
ゆうたは山の中を歩いていると、どこからか「ヨイショ、ヨイショ」と作業の音が聞こえてきました。音の方向に進んでいくと、そこには小さな姿のやまわろが一生懸命に木を運んでいました。「こんにちは!」と声をかけると、やまわろはゆうたに気づいて挨拶を返してくれました。「人間の子どもか、手伝ってくれるのかい?」
ゆうたは嬉しくなり、やまわろと一緒に木を運ぶことにしました。やまわろはとても力が強く、どんどん仕事が進んでいきました。やがて、木が全て運び終わると、やまわろは「ありがとう。君はとても頼もしいね!」と笑顔で言いました。
結末
その日の夕方、ゆうたはおじいちゃんに今日の出来事を話しました。「本当にやまわろに会ったのかい?」と驚くおじいちゃんに、ゆうたは満足そうにうなずきました。「やまわろは優しくて、力持ちだったよ!」それから、やまわろの話は村の皆にも広まり、やまわろは村の友達として親しまれるようになりました。
ゆうたはこれからも自然の中で気持ちよく遊び、妖怪との素敵な出会いを楽し[たの]むのでした。